
自律神経と鍼灸
現代社会においてバランスが崩れがちな我々の身体
自律神経と鍼灸について
こんにちは、MURASAKI鍼灸治療院です。
鍼治療といえば肩こりや腰痛はもちろんですが、
今回は今まで多く診てきた症例の中から自律神経の不調で来院された方も割合多く感じますので「自律神経と鍼灸」について紹介したいと思います。
結論から言うと、自律神経の乱れに対して鍼灸での施術は相性が良いと言われています。
なぜ?
自律神経という言葉は、失調や乱れという言葉が続いよく目にすることがあると思いますが、そもそも自律神経とは何か皆さんはご存じでしょうか。
自律神経とは、呼吸・心臓の動き・消化(胃腸の働き)・体温調節・血圧のコントロールといった普段無意識のうちに働いてくれているもの。逆に言うと自分の意識では調整する事の出来ない身体を健康に保つために無くてはならない働きを担ってくれているものとなります。
そんな自律神経には二面性があり、スイッチがONになっているときに働く交感神経、スイッチがOFFになっているときに働く副交感神経という2つの神経系から構築されています。
では具体的にその二つはどういった働きをしているのか、
交感神経:スイッチONの時の神経。日々の生活において活動時やストレスを感じているときに活発になり、身体を興奮状態にする働きがあります。
主な働きとして
心拍数と血圧の上昇:心臓の鼓動を速くして全身に血液を送り込む力を強めてくれます。
呼吸の促進:呼吸を速く浅くすることで、体内の酸素量を増やします。
筋肉の収縮:筋肉を緊張させて素早い動きや反応を可能にします。
発汗の促進:体温を調節し、過度な体温上昇を防ぎます。
消化器系の抑制:消化活動を抑制し、エネルギーを他の活動に集中させます。
瞳孔の拡大:より多くの光を取り込み、周囲の状況を把握しやすくします。
血管の収縮:血圧を上昇させ、必要な場所に血液を集中します。(血圧を上げるために血管は収縮する)
覚醒と集中:脳を覚醒させて集中力を高めます。
副交感神経:スイッチOFFの状態、休息や身体がリラックスしている時に優位に働きます。
主な働きとして
心拍数を下げる:脈をゆっくりにして心臓への負担を軽減します。
血圧を下げる:血管を拡張させて血圧を安定させます。
消化を促進する:胃腸の働きを活発にして食べ物の消化を助けます。
排尿・排便を促す:膀胱や腸の働きを活発にして老廃物の排出を助けます。
体温を下げる:体温調節をして体温が上がりすぎないようにします。
リラックス効果:心身をリラックスさせてストレスの軽減に関わります。
これら交感神経・副交感神経の働きが、日常生活の中で円滑に入れ替わることで人は体内のリズムが出来て、心身ともに健康的に生活を送ることができます。
ただ、生活をしていると、どうしてもストレスは避けられないし仕事などで普段と違うことがあると生活のリズムも崩れてしまいがちです。
デスクワークをしていると、パソコンに向かっている人は強い光を昼夜問わず目に入れることになりますし、近頃だと電車の中でもお家にいてもスマホから目が離せないといった方が多くなっているのではないでしょうか。
そうすることで、スイッチが一向にOFFに傾くことが出来ず脳が覚醒したままになり、交感神経が優位になっている人が多くなっています。
その結果、不眠・めまい・息切れ・倦怠感・肩こり・手足の冷えなど様々な症状が引き起こされます。
肩こりは、ただ単に姿勢が悪いというケースもありますが、内臓の働きが悪くなり身体の表面に筋肉のコリなどの症状として現れる内臓体性反射というものから引き起こされているケースもあります。
自分の肩こりの原因はどこから来ているのか。身体の状態を正しく知ることも、症状を長続きさせない為に大切な事となります。
では、上記を踏まえて鍼灸はなぜ自律神経症状に良いとされているのか?
それは、簡単に言うと鍼やお灸の刺激によって「交感神経」と「副交感神経」のバランスを取ることが出来るからです。
現代社会において交感神経が優位になりがち。
つまり、血管は収縮してその分身体の表面は冷えやすい、脳は覚醒して睡眠の質は悪くなる、消化活動を抑制し内臓の働きが悪くなるので便秘や下痢に繋がるという身体の状態になっている訳です。
鍼やお灸で刺激することによって期待できることは、そもそも身体がリラックスして副交感神経の働きを高めてくれること。血管が拡張して血流が良くなること。脳内ホルモンの分泌を高めることでストレスの緩和にも繋がると言われています。
まだ、鍼を受けたことが無い方は怖い・痛そうというイメージがどうしても先行するのでリラックスできるのか。
と思うかもしれませんが、実際に鍼を受けた患者様からは痛くなかった、ズーンという鍼特有の響きが気持ちよかった。
と言ってもらえる方がほとんどです。
痛みが出にくいように鍼の形状や太さには様々な工夫がなされているので、それも痛みなく受けて頂ける要因の一つと言えるでしょう。
睡眠について不安がある方や、便秘・下痢に悩まされている方、倦怠感がなかなか抜けなくて活力が出ない方、ぜひ一度鍼灸治療を受けてみてはいかがでしょうか。
実際に今までの患者様を例に挙げると
〇40代女性
お悩みは、不眠と便秘
30代中盤から職場で役職に就き仕事の責任が重くなったこと、部下とのコミュニケーションの事などで悩むようになりそれ以来寝ていても頭の中で考えが巡ってしまい寝付けなくなってしまった。また、それから少しして食欲の低下や便秘が続いていることが気になり始めたとの事でした。
本人の希望としては、どうしても早く寝ないといけないときは睡眠導入剤などを飲んで対応しているが薬に頼らず睡眠の質を上げたいという想いで来院しました。
身体の状態として、肩に力が入りっぱなしで肩が上がり呼吸は浅くなっていることが身体の状態確認や聴き取りで確認して、
まずは、身体全体の力が抜けるようにするためにも肘から先、膝から先も含めて全身的に手技にてもみほぐして少し力が抜けたことを確認して鍼を行いました。
鍼は初めてとのことだったので、基本的には浅めに刺激をして首や肩、腕のツボには少しズーンとくる程度の刺激をして鍼の実感をしてもらいました。
この時点で呼吸は深くなり身体が軽くなっていることを実感されていたので、姿勢の調整のためにもストレッチを入れて最後に頭や首にマッサージ整体を行い施術を終了しました。
終わったときの感想としては、肩の位置が落ちて久しぶりに正しい位置に戻ったと喜ばれてリラックスも出来ている様子でした。
1週間後に2回目の来院をされた際には、その後よく眠れたという言葉を頂きました。
一回の施術で完全に改善されるものではありませんが、続けていくうちに身体がリズムを覚えてくれて睡眠の質も良くなっていきます。
セルフケアとしてアドバイスした寝る前の腹式呼吸や直前までスマホを見ないようにする習慣作りも鍼灸施術の効果を長持ちさせるために大切になります。
また、脳腸相関といって鍼やマッサージ整体でお腹や頭に刺激を加えることで脳内ホルモンの分泌促進に加えて腸の働きが良くなって便秘の解消にも期待できます。
気になっている症状はそのままにせず、まず出来ることをやってみましょう。
リラックスしてぐっすり眠れたと思える朝を迎えるために、日々の生活を豊かにするために。
当院は代官山駅、日比谷線恵比寿駅から徒歩5分に位置しリラックスして安心して施術を受けて頂ける空間を準備しております。
治療のことやお身体のことなど不安なことがある方はお気軽にお問い合わせください。

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